きみのうた



「おはよーございます、笹野さん」

「はい、おはようございます」

看護師っぽい声の女性があたしの包帯を取る。

「今日の体調はどうですか?」

「平気です」

「では、ご両親の方。手術は3時間ほどかかるので」

「分かりました・・。よろしくお願いします」

「じゃあ行きましょうか」

「はい」

ベッドが動いた。

看護師が動かしたのだろう。

「璃乃、頑張ってね」

「うん、任せといて」

笑って見せた。

この笑顔が最後にならないと信じて。

最後くらい、笑って見せたくて。

「璃乃っ」

「智美ちゃん・・」

「えっ?」

智美?

「頑張ってよ・・!また笑顔・・見せてよ!」