きみのうた



智美に気、遣わせちゃったかな。

きっと、トイレなんて行ってないよね。

「智美・・ありがと・・」

そっと呟いてみる。

「璃乃、そろそろ寝なさい?」

お母さんが病室に入って来た。

「まだ早くない?」

お母さんに文句を言う。

「もう9時なのよ?」

「嘘っ?」

包帯のせいで明るさがない。

だから全然分からない。

「明日早いでしょ?途中で体力なくなったら大変でしょ。だからもう寝なさいよ」

「はぁい」

心の中では目を閉じた。

あしたは目が見えると信じて・・・。