きみのうた



「佐々野とは大違いだな」

「何おうっ!?」

「ほら、病院でケンカしないの」

きっと怖くないのはこの2人のおかげかな。

「さてと、もう帰ろっか」

「もう夕方だし。璃乃は明日手術だしな」

「じゃああたし、トイレ行ってくるから。倉井、待っててね」

「おう。ごゆっくり~」

智美はトイレに席を立った。

「じゃあ、明後日来るからな」

「うん、分かった」

「死ぬなよ」

あたしの髪をそっと触れる。

「智美みたいなこと言わないでよ」

あははっと笑う。

「璃乃、愛してる」

そっと唇が重なる。

「初めてだね、そう言ったの」

またあははっと笑う。

「あぁ。次言う時はいつかな。明日、絶対頑張れよ」

「うん、大丈夫だよ」

「たっだいま~。さ、帰ろっか」

「おう。じゃあな、璃乃」

「ばいばい!璃乃!」

「うん、また明後日ね」

2人は帰って行った。