きみのうた



「はぁ・・・」

ベッドに寝転んで天井を見つめる。

実際は見えないけど。

まるで、真っ暗闇に投げ出された気分。

声は聞こえるのに。

触れ合えるのに。

ただ目が見えない。

あたし1人の世界に居るみたい。

「璃乃!」

「・・お母さん?」

お母さんが慌てて帰って来て部屋に入って来る。

「今・・病院に呼ばれて行ってたんだけど・・もしかしたら璃乃の目が見えるようになるのよ!」

「嘘!?」

嬉しくて飛び上がる。

「でもただ・・ちょっと危険だから覚悟が必要ですって・・・」

「危険って・・死ぬってこと・・・?」

「そういうこと・・」

まだ死にたくない。

でも目は見えてほしい・・・。

「璃乃が決めなさい」

「・・・」

死にたくはないけど・・。

見えるようになりたい・・・。

「・・分かった。手術、受けるよ」