きみのうた



「当たり前でしょ!?こんな奴と付き合いやがって・・」

「こんな奴って俺のこと?」

「当たり前でしょ!他に誰が居るの!?」

「智美・・、言い過ぎ・・・」

「てめえ、とっとと出てけや!」

「ちょっ!押さないでよ!」

バタン

ドアが閉まる音とともに、倉井君の溜息。

「はぁ・・。治るもんも治らないっつうの」

倉井君があたしの隣に座る。

「でも、智美のおかげであたしは居るようなものだよ」

「え?そうなの?」

「うん。中学校ん時にね?いじめられたの、あたし。1年生の時、あたしは転校生で。みんなから注目されてさ。それで気に入らなかった女子があたしをいじめだしたの。智美とは夏休みのときに会ったかな?」

癖で左腕を握る。

「・・左腕、どうかしたの?」

「え・・・?」

「左腕・・握ってるよ」

「あっ」

パッと離す。

でも、やっぱり左腕の服を捲り上げる。

「うわっ・・・」

つい倉井君の声が聞こえた。