きみのうた



「璃乃・・?」

「おい、璃乃?」

「あ!璃乃って呼んだ!まだ璃乃は許可してないのに!」

「うっぜえな、まじで。もう帰れて!」

「絶対嫌だし!」

「お腹痛い・・。あははっ・・」

まだ笑いが止まらない。

「璃乃が壊れちゃった・・・」

「落ち着けって、とりあえず」

「あははっ・・・」

「璃乃・・・」

智美があたしをそっと抱き締める。

「あはは・・・」

「ごめんね・・。あたしがちゃんと見てれば・・。璃乃の異変に気づいてあげてれば・・。きっと璃乃は・・苦しまなくて済んだのに・・」

「智美・・悪くない・・誰も悪くないの・・だから・・泣かないで・・?」

「ごめんね・・本当に・・ごめん・・・」

あたしを強く抱きしめるから、余計に涙が出てきて。

「誰も悪くないの・・だから泣かないでよ・・・」

「佐々野が泣いたら余計こいつも泣き出すよ。お前らは笑ってた方が面白いんだし」

「え、何それ?笑ってないとダメって法律ありますか~?」

ほらっ、また始まったよ・・・。

「智美・・やめときなって・・・」

「だって!こう言われてムカつかないの!?あ、そうか。彼氏だからムカつかないか~」

「ちょっとぉ、嫌味~?」

智美が離れてあたしの隣に座る。