きみのうた



「はぁ・・・」

溜息しか出ないこの頃。

誰かに助けてもらわないと生きれないこの身体。

1人じゃ何も出来ない。

何をしようにも目が見えない。

将来を考えると何も出来ない。

もう・・最悪・・・。

「このままなら・・死にたい・・・」

けど、死にたくても物が見えない。

手に取る前に怪我しちゃう。

ベランダに出ようとしてもどこら辺がベランダの鍵があったかなんて覚えてない。

「・・・はぁ・・・」

結局、このまま生きるしかないんだ。

結局、このまま1人じゃ生きてけないんだ。

倉井君には感謝してる。

でも、どうせなら話せない方が良かった。

それなら目は見える。

そしたら倉井君や智美は見える。

手話なんてすぐ覚える。

目が見えないのは点字しか分からない。

こんなの、分からないじゃん。

まわりからは変な目で見られるし。

外、歩けない。

夏が来る前の出来事だった・・・。