きみのうた



「はぁ・・・」

あたし1人の部屋。

あたしが音を立てない限り、何も聞こえない。

2人が付き合ってる・・・?

そりゃ・・他から見ればそうかもしれないけど・・・。

でもそんな噂が流れてるなんて・・・。

明日、絶対聞かなきゃ。

そう思っても、やっぱりモヤモヤは消えなかった。

「・・・笹野・・・」

「ん・・・?」

誰かの声が聞こえる。

「誰・・・?」

「俺。倉井智哉」

「倉井君?」

なんで?

バイトじゃないの?

「ごめんな、夜遅くに来ちゃって・・・」

「今・・何時・・?」

「20時だよ」

あれ・・。

そんなに寝ちゃったか・・・。

「そうだ・・。倉井君って・・智美と付き合ってるの・・・?」

「え?んなわけないじゃん、あんな奴!俺のタイプじゃないし!」

「そっか・・。良かった・・・」

じゃあ嘘なんだ・・、あの噂は・・・。