きみのうた



「・・痛っ・・」

目を覚ますと辺りは真っ暗。

「ここ何処・・・?」

ハードルやら体育で使う道具がたくさん。

たぶんきっとここは体育館倉庫。

「ちょっと・・なんで・・?携帯・・・」

ぽっけを探してもどこにもない。

はー・・。

鞄の中だー・・・。

「もう最悪・・・」

マットの上に寝かされていた。

「誰か来ないのー・・・?」

そうだ・・・。

もうほとんどは今日、体育をしないんだ・・・。

しかも今日は部活もやらない日だし・・・。

あたしの高校は1週間に1日だけ部活をやらない日がある。

それが今日なのだ。

もう運、なさすぎる・・・。

誰か来てくれないかな・・・。

「笹野ー!居るのか!?」

「倉井君・・・?」

外から大きな声が聞こえる。

「倉井君!」

ドアをたたいて叫ぶ。

「笹野!大丈夫か!?ちょっと鍵借りてくるからな!」