きみのうた



先輩を睨み付ける。

「友達が言ってたの。貴女が智哉を狙ってるって」

「・・・」

あえて黙っててやろう。

「狙うの、やめてくれないかな?智哉はあたしだけが好きなのよ」

勝ち誇ったような笑みを浮かべる先輩。

「だから?」

「へっ?」

間抜けな返事。

「もしあたしが好きだとしても、貴女に何か迷惑でもかけますか?」

「だって・・・」

「先輩が倉井君を振ったんですよね?それなのに、身勝手じゃありませんか?別れようって切り出したのは先輩のせいですよね?」

「そうだけど・・・」

「じゃあもう2度とそういうことは言わないでください。本当に倉井君を想ってるなら、ですけど。じゃあ失礼します」

頭を下げて教室へ戻ろうとした時、急に頭に激痛が。

そのまま倒れこんで意識を失った。