「ここは?」

「貴女に会う3日前。

つまり、事故の3日前ね。

時間は朝の4時。」


「そうね、意思としての貴女が行くことのできる過去の範囲は3日。

そして、私はそれに力を上乗せして、貴女が彼に話せる時間の最も古い時間に移動したの。」

「よくわからないんですけど、」

「細かいことは良いわ。

とにかく、この時間が彼氏が起きていて話せる時間ってこと。」

「あ!

彼です。」

一人の男が自転車で走っている。

「あそこは?」

自転車から降りると店に入る。


「あそこは、新聞の宅配所?」

男が新聞を自転車に次々と乗せていく。


「アルバイトかしら?」



「少し未来に行きましょ。」



「ここは?」

「約30分後ね。」

「あ!」

新聞が空になった自転車で帰ってくる。

「早いわね。」

「自転車はすごく早いんです。」

「あら?

また、新聞を積んでるわ。

まだ、配るみたいね。」

30分後

「また?


一回に運ぶ量はおよそ一人分あるわ。

人の三倍働くって感じね。」




「終わったみたいね。


行きましょ。」

「でも、話せるのかな?」

「私がサポートするわ。」