そう、
私達は家が隣なんだ。



窓を開ければすぐに話が出来るくらい。



そのせいで、私は散々辛い思いをしてきた。



例えば、
毎年女の子達が楽しみにしているバレンタインデー。


優兄はすっごくモテるから毎年たくさんの女子がチョコを渡しに来る。



それは私の家からも見えるわけで―――




「こっこれ、
優也くんの為に作りました。
受け取ってください」



俯き加減で、頬を赤らめて―――



毎年かわいい女の子達がチョコを渡している姿を見ているだけで、
私の心は苦しくなる―――