「思い出してたんだ。 よく昔こうして2人でお菓子とか、母さん達のお願いで夕飯の材料買いに行ったなぁって」



「うん、そうだったね。 優兄が5年前にうちの隣に引っ越して来て、2人共まだ全然お互いの事知らないのに、お母さん達に買い物頼まれて……」



「初めて香織と話したのも、買い物に行った時だったな」



「今思うと、2人共すっごく緊張してたよね? 私あの時早く帰りたくて仕方なかったもん」



香織はその時の様子を思い出しているのか、本当に楽しそうに笑った。