サクラ誘惑





少し胸が締め付けられる中、その男子は言った。


「ていうか…オレの名前わかる?」


「…え」


ドキリとした。

図星をつかれて顔がひきつる感じ。


「え…と」


やたら瞬きなんて多くして、頑張って頭をフル回転させていると、ふっと鼻で笑ったような声が聞こえてきた。


「坂井 和樹(サカイ カズキ)。和樹でいいから」


そう和樹と名乗ったソイツは近くにあったベンチに座った。


私もつられて隣に座る。


「佐原さんってさ、イメージと違うよな」


「…は?」


「いや、正直冷たいイメージがあったからさ。今普通な感じだし。

ツンデレとか?」