サクラ誘惑





「ちょっと、オレたちあっち見てくるわ」


そう言ってどこかに行ってしまった谷田部くんと奈美。


取り残された私たちは特にすることがなくて、少しだけ沈黙が流れた。



ていうか…


「私といていいの?」


「…え?」


「いや…私なんかと回っていいのかなって」


ふと思った。


私はどうでもいいんだけど、お祭りって誰と回るのかで楽しかったり、楽しくなかったりするから。


特に冴えない私でいいのかな、なんて思ったんだよね。


「あー、うん。むしろ佐原さんでよかったし」


「え?」


「あいつ、田辺さんがいるの見付けてずっとそわそわしてたからさ。

いなくなってせいせいしたよ」