あと一つ! そう思った瞬間、 「おい、ぼーとすんな」 いきなり腕をぐいっと引っ張られて前のめりになった。 「オレと佐原さんこの駅なんで」 「はっ?」 にっこり爽やかスマイルを浮かべて佐藤先生に向けるさとる。 「私、ここの駅じゃ…」 「ほら、早く行くぞ。自分の駅もわからない程バカなのか」 はぁ!? 腕を振り払おうとしたけど、あまりに力が強くて、言いなりになる私。 電車から出た瞬間、プシューと扉が閉まった。 微笑みながら手を振る佐藤先生と目が合って、一応軽くお辞儀をする。