辛いに決まってるでしょ!
なんて言える余裕なんてなくて。
変わりに思いっ切り睨みつける。
「ははっ。あんま見つめんなよ、またしたくなるだろ?」
「バッ…」
バカじゃないの!
見つめてないし!
ていうかもうしないし!
濡れた唇を勢い任せに拭き取り、問題用紙を出す。
それを境に、さとるは補習の始まりと終わりに深いキスをしてくるようになった。
私の気も知らずに。
…さとるはどんな思いで私にキスをしてるの?
私、そんなことされるの初めてだから
甘く囁かれることなんてないから
好きになっちゃいそうだよ
桜さとるっていう
教師のことを。


