「ふっ、アカネ帰ろう」 まだ笑いを堪えている凌央があたしに左手を差し出す。 「ちょっと、凌央くん!茜に好きって言わせるチャンスだと思ったのにー」 「大丈夫。アカネが俺のこと大好きなことは知ってるから」 自信満々に凌央が言う。 そんな凌央を見て奈都希がにやにや笑う。 「さっすが幼なじみー!」 「まあな。…ほら、暗くなる前に帰るぞ」 あたしは凌央を睨みながらも凌央の手を握る。 …だって、手繋ぎたいんだもん。