初めてしゃべったのは、その次の日だった。…確か、2時間目の時。 けっこう前のことなのに、あたしはまだ覚えてる。 「…ね、ここ、何書けばいいの?」 “りゅーや”はそう聞いてきたんだ。 自己紹介の用紙。自己アピールの欄。 あたしがとっくに、てきとうに書き終わっていた自己紹介の用紙を“りゅーや”は、まだ真剣に書いていたんだ。 「…趣味とか出身小学校とかてきとうに書いとけば?」 今思えばあの返答、随分そっけなかったなぁ…って。