雪・時々晴れ

そんな事を聞くと上手く行かなかった人と二回目はどうだったのか…とか、初めて上手く行った人はどんな女性だったのか…とかヤキモチを焼く要素がてんこ盛りになってきた。


(この男…とことん好きにさせる作戦やな)


実際は作戦ではないのだろう…きっと彼がモテ男なのは自覚の無いズルさのせいだ。


(正直って罪やんなぁ…正直ってことは全てに答えるとゆう事なんか?)


「マユちゃんともやったの?」


「…やったよ」


「え~~~~」半泣きになった。


「そりゃそうでしょ、お互い好意を持っていた訳だし、君より長い間居るんだし」


「居るんだしって!」


現在進行形な言い方に悲しくなった。


「居るけど…終わらせようとしてるんだから…ね」


「そ~やけど…」


自分が早速彼女きどりになっている事に恥ずかしくなった。


どんどん欲張りになって嫌われるのが怖かった。


マユちゃんの事など聞かなければ良かった。


しかし、どの道私の性格上いつかは質問していることだ。


未来を上手く行く方向で考えれば早めに聞いている方が楽なはずだと思えば少し気が楽になった。


だけど、どうしても色々聞きたくて質問を続けた。


「初めて上手く行った人がマユちゃんってこと?」


「違う」


「そっか、じゃあ許す」


「許すって…何様?」


「やっぱり?あはは」


「あははじゃね~よ」


「じゃあ~初めて上手く行った人って誰?前の彼女?」


「ん~ん。ずっと前に結構年上の旦那さんが居た人」


「はぁ~?…今日はもぅいいや聞くの止めとく」


「だろ?色々質問すると体に悪いよ」


本当にそうだと思った。いつかヤキモチで身が持たなくなりそうな予感がした。


「そろそろ帰ろっかな…帰りたくないけど…」


「じゃあ、どっかで飯食って帰るか?」


「うん。」


小田君に何を聞かされても全く嫌いになれなかった。


逆に闘志さえ感じた。


絶対に私を好きになって欲しいと。