雪・時々晴れ

コタツの上には2リットルのコーラとグラスが二つ置いてあった。


小田君はコーラをグラスに注いでくれた。


「はい」


コーラを指し出され何か喋らなくてはと思った。


「コーラ好きなん?」


「うん。俺家に買い置きするのはコーラだけなんさ」


「へ~」


(好き嫌いがハッキリしてるのかな…)


「あとじじいのきゅうすのお茶飲んでる。外に出ててる時は缶コーヒーとかも飲むけど…」


「ふ~ん。そういえばお酒もあんまり飲まへんよな」


「そ~なんさ。よく知ってるじゃん」


「ま~ね~」


「酒飲むとすぐ眠くなって駄目なんさ」


「そ~なんや。なんとなく強そうに見えるけど」


「君は良く日本酒飲んでるよな…いっぱい」


「そーそー…ばれてるやん…はは」


「あんまり印象良くないよな」


「だって、新潟のお酒美味しいもん!」


「酔っ払ってフラフラになるのが危ないよって事」


「ああ…そうですね」


小田君の些細なことでも知れることが嬉しかった。


私が日本酒ばっかり飲んでる姿も見ていたのだと思うと、以前から全く興味の無い人間では無かったのだと自惚れた。


しかし、他所者だから興味が有ってもおかしくないかと直ぐに思い直した。


その後も高校時代のラグビー部や親友の話をしてくれる彼の顔を見ていると凄く幸せな気分だった。


小田君は「今日はちょっと疲れたね」っと言って寝転んだ。


(もしかして寝るの?!)と思ったけど彼の寝顔が見てみたいとも思い話をするのを止めた。