「何なん!ナ・ニ・な・ん!これ」


「ナンなん!こっちだって何なんだって言いたいよ」


「そやな…急に言うたん私やもんな」


(小田君は悪くないんか…いや悪い奴の様な気がして来た。ヤバーイ。もぉどーなったっていいや…。一人でもいいや)


「何怖い顔してんの?」


「だって、もうお終いやマユちゃんと…」


「そうかもね…いいじゃん俺と遊べば!私を守ってって言ってたじゃん」


「ホンマやな!私、予言者みたいになってるやん…」


「ははっ」


(ははっじゃないわ!お気楽か!)


「でも俺が言うのも変だけど、恋愛はどろどろになってもしょーがないと思うよ」


「まぁそうか…私が小田君のこと好きなんはホンマやし、マユちゃんも小田君好きな気持ちもホンマなんやもんな…」


「いやぁ~照れるな~」


「褒めてないけど…」
(面白い人やな)


車は海沿いの松が並ぶ国道を走っていた。


「日本海や~スゴーイ!」


松の隙間から少し見える日本海は寒さを一層強調していた。


「俺んちこの近くだよ」


「へーめっちゃ遠いなー会社まで一時間くらいかかるやん」


「冬場はね」


「知らんかった。ゴメンな遠くまで来てもらっててんなぁー」


「別に普通だけど…新潟の奴はこんなの近い距離だよ」


「あーそれ前に渡辺さんが言ってたの聞いた。一時間なんて近いって」


「うん。それに謝ることじゃないじゃん。俺が会いたくて会いに行ってるわけだし」


「うん」