雪・時々晴れ

「いいよ。もう諦めるから仲良くしーや」


「へー意外と淡白なんだな」


「だって、そんなん、どうしたらいいの?」


「俺はしょうたろうと仲良くなりたいと思ってるよ」


「…!」


嬉しいのと、そんなんアカンってという気持ちで心がゴチャゴチャになった。
心では天使と悪魔が戦っていたが、心よりも先に口走っていたのは悪魔の言葉だった。


「その女の子って…誰?」


「え?ホントに解んない?」


「えー?加藤さん?よく話してるし」


「違うよ、あれは加藤さんがよく喋る人なの!知ってるでしょ」


「あそっか…じゃあ渡辺さん?そんな訳ないか!」


「そんな訳無いかってどうゆー意味だ」


「いやぁ何となく…違うんやろ?」


「違う」


「もしかして、マユちゃん?」


「うん」


「うそやろ?よりによって何でマユちゃんなん?」


「しょーがないでしょ、そうなんだから…何かね…あの人さ、豪快に笑うじゃん」


「うん」


「俺が言ったしょーもない事でも大笑いしたりするから、なんか胸をわし掴みされたみたいになってさ…」


「まじで…あぁ聞きたくない聞きたくない…そんなん聞いたらもうマユちゃんと遊ばれへんし…喋られへんし…」


半泣きになった。どうりで忘年会の時にマユちゃんが変だったはずだ。


私の気になる人は小田君ですって言ったとき、ライバル宣言した様なものだったのだ。


そういえば年が明けてから浮かれ気分の私とは対照的に暗い感じであんまり喋ってもくれなかった。


(もーどっちみち手遅れやんか…)