雪・時々晴れ

「俺さ、前の会社で付き合ってる女がいたんさ」


「うん」


「でも、今の会社入ってから半年位して別れたんさ…俺からね」


「何で?」


「同じ事でばっかりケンカしてたし、新しい環境になって人間関係も変わったし、付き合いも増えて、またそのことでケンカになったりしてたから、一旦離れてみようと思ったんさ」


「ふーん…」


「俺が悪いんだけどね…もう会ってはなかったけど時々電話で連絡は取ってて、少し距離を置いた方がまたやり直せるかなって思ったけど…」


「けど?」


「俺、会社に気になる子が出来てさ…」


「え?今の会社に?」


「うん」


「うそやろ!?えーーー!?ほんまに?」


「君の良く知っている人」


「まじで!!!え?え?誰なーーーん!」


「解んない?」


「解るわけ無いです」


ろくにタバコも吸わぬまま火を消した。


「ちょっ、まって。好き同士なん?」


「解んない」


「解んないって!何でー?」


「その子は俺の事好きって言ってくれてて、色々遊びに行ったりもしたけど、何かね…前の彼女のこと思い出してさ」


「…彼女のところへ戻りたいの?」


「いいや。そうじゃないけど。だってもう新しい彼氏できたし、何か付き合ってすぐに大ゲンカしてその後もっと仲良くなれたとか言って喜んでたし。お先に~って感じが寂しかったんかな…」


「へ~その子は前の彼女と連絡取ってること知ってるの?」


「知ってるよ。俺隠し事できないから」


「じゃあ…気持ちの整理が付くのを待ってる感じやな…」


「かな…。そんな時に君みたいなのが現れて俺どーすりゃいいの?ってなってるんだけど…」


「私って超お邪魔虫やん」


「だろ?」