雪・時々晴れ

車に戻ったものの喋ることをそんなに考えて来なかったし、そろそろ帰らないと間が持たないと思った。


小田君と話していると、なんとなく影があるように思えた。


誰かに遠慮している様な…。


彼女がいる人だったらこんなこと罪だと思った。


「もしかして彼女居る?」


「…彼女じゃないけどチョットどろどろな関係っていうか、そういう人は居るよ」


「えっ、マジで!…じゃあ私もう会うの止めとく。小田君のこと気になるけど、その人に悪いし…私のことなんかほっとけばいいのに…その色々有る人と仲良くしときーや」


「…ちょっと待って。俺の事好きなん?」


「好きってゆうか…仲良くなりたかったっていうか、たぶん好きなんやと思う」


「ちょ待って。俺、近いうちに答え出すから」


「?まー今日のこととか気にせんと仲良くしーや。」


答えって何の?って思ったものの聞かないで車を降りた。


「じゃあね」


「じゃあ」


カルチャーセンターから家まではほんの5分ほどだったが道のりが長く感じた。


(そっか…失恋ばっかやな…失恋?やっぱ好きなんや私。きっと私のこと気に入ってるけど、どろどろの関係の人と仲直りして、悪いけどもう会えないんさ…なんてこと言ってきたら死んでしまいそーやなぁ…)


あの別れ際の様子から何かしらの答えがあることは覚悟しなくてはならなかった。