雪・時々晴れ

「そういえば、おじいちゃん電話で私の言ってる事聞き取りにくかったんちゃうかな?」


「いや、じじい、耳が遠いんさ」


「あ~そうんなんや。おじいちゃんが喋る度にピーって機械音がしててんけど何?」


「フッ、補聴器するとあんな音が出るんさ」


「あ、そーなん!知らんかった。何の音やろうって謎やったけど聞けへんかってん」


「いいよ、じじいはロボってことで」


「え~あはは!ロボじゃないし…たぶん」


「あたりまえだ。」


「あははっ!………両親は?」


「俺、じじいと2人で暮らしてるんさ」


「へー」


何となく両親の事は複雑な事情だったら悪いからこれ以上聞かないでいた。


他愛も無い話で時間は過ぎていった。


注文した飲み物もなくなったので店を出る事となり駅前に停めていた彼の車に乗せてもらう事になった。


新車の匂いがした。


「も少し喋る?」


「そうだね…
………何か喋り方移るわーーー!」


「いいじゃん。別に」


「うん」


車を走らせながら停車できる場所を探した。
近くのカルチャーセンターの駐車場がガラ空きで良いよと提案してみた。


「じゃそこで」


車を降りて、2人でタバコを吸いながら今のとこ禁煙車にしてる話しを聞いた。


「寒いから車乗ろっか」


「うん」