雪・時々晴れ

そんな会話をしながらお土産屋さんに立ち寄ってターコイズのネックレスを見ていたら浜田チーフが何やら店員さんと交渉していた。


「どうしたんですか~?」


「これがどうしても欲しいんさ!」


ディスプレイの木彫りの魚がどうしても欲しいらしく駄々をこねて店員さんを困らせていた。


私は(何でこんな魚がそんなに欲しいんだ)と思ったが、思い出が走馬灯のように駆け巡り答えが出た。


(あ~坂井さんか…。)
(そういえば坂井さんと浜田チ-フってお互いに魚に似てるとかでよく言い合ってたな)


浜田チーフもまた坂井さんに想いを寄せる一人だったのである。
私は複雑な思いでその場から離れた。


(浜田チーフ良い人やのに…)
背が高くて色白で女優の高橋ひとみ似だが少し暗い感じの人だった。


私の好きなゲームの話やイラストやパソコンの話が出来る人だったので先輩の中では一番好きな人であった。


そんな大事な人なのに恋敵…
いや、元だが。




旅行から帰って、週に一度はデザイン室で坂井さんと浜田チーフの会話を聞くのは辛かった。


私は浜田チーフの気持ちが解ってからは…


(あ~後ろめたい。坂井さんなんかやめときぃ)


という気持ちでいっぱいになってMACが楽しいどころでは無くなった。


まだ坂井課長が見張っているデータ入力の仕事の方が天国のように思えた。


坂井さんとはもう仕事以外の会話が出来る様になっていた。


普通に笑って会話が出来たのは向こうが大人だったからなのだろう。





(そ~いえばもうすぐクリスマスか…)


久しぶりの彼氏がいないクリスマス。


(寂しいな~)


クリスマスは何も予定がなかった。