「何でそんなこと聞くわけ?」 怒ったような低い声…。 そうだよね…。羅威くんは私のこと無関心なくらい好きじゃないもんね…。 「ごめんなさい、私…、今日は帰ります!」 私は立ち上がって図書室を出た。 「あかり!!」 羅威くんの声がしたけど、聞かなかった。 泣くのを我慢して、頑張ってたのに…。瞳に溜まった涙がどんどんこぼれ落ちていく。 口の中がしょっぱい。 私は泣きながら歩いた。 前から人が来る音がする。 それでも、私は俯いて歩く。 「あれ、多賀峰さん?」