少女は腕の中にある小さな命

をそっと抱きしめた。

やっと生まれた小さな命。

けれどそれを

こんなに早く手放すなんて夢

にもみていなかった。

「シロアナ…急げ」

隣で、今まで一緒にいた青年

が少女にいう。

「いや…」

その言葉に逆らうように少女

は首をふった。

自分で決めて自分で選んだ道

なのに、今その過ちに気付く。

レクイエ国-皇女シロアナ=ク

ランザァール。