「仕事柄、夜中に帰ることがほとんど。
何日も帰れないこともある。
ゴハンも休みの日くらいしか一緒に食べられない。
朝も言ったけど、休みはしばらくないし、ほとんどないようなもの。
飲み会も頻繁にある。
合コンは行かないけど、打ち上げとかは付き合いだから行かなきゃいけない。」
淡々と話していく柘植さん。
「あと、なっちゃんは自由にしていいよ。
お金もあるから働かなくていいし。
今まで、かなり無理して頑張って生きてきたでしょ?
だから、これからは自由に暮らして。」
柘植さんは一呼吸して、わたしを見つめた。
「それから、ハグ。」
「・・・ハグ?」
「ハグまでは許して。」

