「・・・」



視線の先に、たくさんの買い物袋が目に入る。




「・・買い物、わたしが断れなくするために?」



「ハハ!
それは違うよ。

最初は同情。
あんなボロボロの靴で可哀想にって。


…けど・・・


可愛くなったサクラさんを見て、愛しいなって思ったのも事実。


一緒に買い物して楽しかったし、
あぁ、やっぱりサクラさんと家族になりたいなぁって。」





―――そんなの、

本当にプロポーズみたいじゃ…



「あ、愛しいって、家族愛?妹みたい?っていう意味でね。

いま、ちょっとトキメイたでしょ?

勘違いしないでね?」



「…柘植さん、意外と酷いですね。」



真っ赤になりながら柘植さんに睨む。




柘植さんは晴れやかな笑顔で


「じゃ、交渉成立で!」



と、言った。







わたしは、小さく頷いた。