柘植さんは目元を両手で押さえ、そのまましばらく動かなかった。 かすかに震える手。 こんな冴えない一般女子が、上から目線で何を言ってるんだって感じだけれど、 柘植さんを一人にできないと思った。 守ってあげたいと思った。 会ったばかりで何も知らないけれど、 でも――― 「…わたし、が います・・・」 小さな声で呟くと、柘植さんの肩がピクッと動いた。