「今まで誰にもバレなかった嘘。」 部屋は静まり返る。 視線が絡み合ったままの柘植さんは、 笑顔。 でも、その笑顔は今まで見たものとは違った。 諦め? うんざり? 苛立ち? なんともいえない、笑顔だった。 「・・少し長くなるけど話し、聞いてくれる?」 「…はい。」 「紅茶、ぬるくなっちゃったね。 入れ直そうか?」 「いえ、大丈夫です。 話し、聞きたいです。」 興味本意、とかではなく、なぜだか凄く柘植さんのことが心配になってきた。