柘植さんが先にソファに座り、その右側にゆっくりと腰をおろした。 お互いに口を開かず、静かな時間が流れる。 物音ひとつしない空間。 この沈黙がなぜだか、心地いい。 「・・もう、涙とまったね?」 数十分の静寂を破ったのは柘植さんだった。 「う・・ すみません。 昨日から見苦しいところばっかり見せてしまって・・」 「ねぇ、サクラさん。」 「はい…」 柘植さんの方を見ると、まっすぐにわたしを見つめていて、視線が絡まる。