キッチンの中は物がたくさんあり、リビングに比べて生活感があった。

でも、きちんと整頓されていて、柘植さんの几帳面さがうかがえた。


「紅茶の気分なんだけど、どう?」


「は、はい!」


「ここにティーパックあるから好きなの入れてね。
こっちにポット、ここにカップとスプーン。引き出しに砂糖とかあるから、適当に使ってね。
ちょっと電話かけてくる。
すぐ戻るから。」


柘植さんは携帯を弄りながらリビングの隣にある部屋へ入って行った。


あの部屋が柘植さんの部屋なのかな?


ていうか、部屋が他にあったんだ…


そんなことを考えつつ、紅茶の缶に手を伸ばす。