東京へ来てすぐ、彼と部屋を借りた。
少し古かったけれど、2LDKの広い部屋。
大きなテレビや洗濯機、可愛い刺繍が施されているカーテンに、家具やインテリア、色んな物を彼と買いに行った。
たくさんあったお金はどんどん少なくなっていった。
少し不安だったけれど、仕事はみつければいいし、彼も働いてるし大丈夫だろうと思った。
東京へ来て1ヶ月。
夜、部屋でくつろいでいると
突然、彼に腕を引っ張られ、駅へ連れていかれた。
玄関で急いで着たコートの中は部屋着、スッピンに髪の毛もボサボサのままだった。
「さよなら。」
満面の笑みで彼が言った。

