静かな部屋の中、彼と視線が絡まる。 キャップを被ってたせいで茶色の髪がクシャッてなってる。 自然だけど、綺麗に整えられてる眉毛。 奥二重で少しタレ目の優しそうな瞳。 筋の通った鼻に、会ったときからずっと口角の上がっている唇… 初めてきちんと彼の顔を見る。 ドキドキした。 「――あなたは?」 「え?」 「名前。」 「・・佐倉菜々子です。」 「サクラ、ナナコ…。」 名前を呼ばれ、胸がドキンとする。 「・・かわいい名前だね。」