「お待たせ。」


大きめな可愛いマグカップが目の前に出される。


ソファではなく、床に座る彼。


「ミルクと砂糖、いれちゃったけどよかった?」


「あ、ありがとうございます…」



冷えきった身体を暖めようと、両手でマグカップを持ち上げる。


―――が、

も、もしかして…

睡眠薬が入ってるのでは、という不安が出てきた。


チラッと彼を見ると、

「変な薬、はいってないからね。」


こちらの様子を観察していたようで、少しだけ微笑みながら、そう言った。






―――この人、悪い人ではないのかも。

何気なく、距離を置いてくれてるし・・

なんでも見透かされてるのは怖いけど。