「・・連絡、くれるかなって待ってたけど何もないし。
もしかして出て行っちゃったのかなって心配になって…
生放送、終わって、気付いたらスタジオ飛び出した・・」
「ご、ごめんなさい!
携帯、前の家に置いてきてしまって・・」
「…そう、だったんだ。
けど、今さっき…
出ていこうとしなかった?」
「・・・」
「…ねぇ、なっちゃん。
そんなこと考えないでよ。
なっちゃんと家族になりたいんだ。
一人にしないでよ。」
それは、今にも消えてしまいそうな声だった・・
わたしは小さく頷く。
安心したように柘植さんは深く溜め息をつき、いつもの笑顔をする。