「学園長とクリスの…あんたらの言うところの処分、だろ?

それには、周囲の人間が邪魔になる。

そうだな?」

「御存知でしたか。


ライカ=ファラディスは魔法使いとしては高度な存在。

しかし、魔力を失えばそこら辺の人間と変わらない。


クリストファー・オーヴェンは吸血鬼としては不十分。

魔法使いとしても無力。

人狼が襲えば両者ともに処分できる。


そして、周囲の人間で親しい者に我々のやることがばらされては困るため、この学園から離れるように仕向けた。」


「そーゆーことか。」

「問題は貴方です。」


「俺?」

「はい。

貴方は聞くところによると、

魔力との同化をしているとか。


我々は魔法を封じることはできても魔力を封じることができません。

つまり、貴方が脅威になります。

なので、貴方にはこの学園から離れていただきたい。」


「断ったら?」

「二月奈都、二月亜紀、両名の命はありません。」

「狭山や石動は?」

「狭山優子は私立の学園への移動。

石動涼は実家への帰還。


貴方の周囲に残った駒は二月の両名。


貴方のお答えを。」



「ドンムーブって知ってるか?」

「いえ。」

「動くな、って意味だ。」

「ああ。

Don't move

ですね?」