「あの、遅れて申し訳ありませんわ。」

「…。」

「…。」

「気の強そうなお嬢様だな。」

「それより、鍵をくださるかしら?」

「門限を過ぎたら申請がないと通せないらしい。」

「だから謝ってますでしょ?」

「門限破ったら当直の先生に言ってから書類を持ってきて提出…だそうだ。」

「マニュアルを読みながら言わないでくださる?」

「初日に門限破りがいるとは思わなかったんだよ。」


「早く、鍵をくださるかしら?」

「門限破りの書類を提出しろ。」

睨み合う。

「くだらない説教に用はないので、教師の所には行きたくありませんわ。」

「俺もそう思ったよ。

つい最近までな。

だが、他人が説教されるのは面白いから、いってらっしゃい。」

「鍵をもらって行きますわ。」

窓口から手を伸ばし鍵をとる。

「鍵には部屋の番号が書いてますわね。」

鍵を確認して、階段に向かった。

「階段の手前には自動ドアがあるが開く気配はない。」

「何か言いました?」

「おそらく表示されるナレーションの予想。」

「?

まぁ良いですわ。

女子はこちらですわね。


あら、自動ドアですの?」

階段の手前には自動ドアがあるが開く気配はない。


「予想通り。

ちなみに、横の機械に生徒手帳をかざしてから手を置くと普通は開く。

「…開きませんわ。」