休日


「教員はなぜ休みの日も学校に…」

「まぁまぁ、部活やったり、担任を持ってる人は大変なんだと思いますよ。」

「狭山先生も学園長に呼び出されたんですか?」

「いえ、私は早めに終わらせたい仕事があって。

岡田先生は学園長に?」


「ええ、さっき、いきなり電話で。

寮監としての仕事があるそうです。」


「学園長、いつもならすぐに来るのに、珍しいですね。」



職員室の戸が開かれ、学園長が入ってくる。

「遅くなってごめんね。」

学園長が挨拶をする。

「失礼しますわ。」

その後ろからは神宮寺が入ってくる。


「学園長、どうして神宮寺が?」

「実は、」

「私が話しますわ。

実は私、転校しますわ。」

「…。

そうか。

だけど急に何で?」

「イギリスにいるお父様からの手紙で今すぐ帰るようにと。」

「理由とかは…」

神宮寺が首を振る。


「すでに退学手続きは完了してるわ。

後は退寮手続きだけ。」


学園長が言う。


「これが、書類ですわ。

これが、部屋の鍵と合鍵。

荷物は現在、業者の人が運んでますわ。」

「そうか。

他の皆には?」

「一応、今からいつものメンバーには挨拶をして来ますわ。」

「そうか。

…そうだな、神宮寺、これをやろう。」

ブレスレットを渡す。

「ですが、」

「それ、俺が前回魔力の放出をして壊れたやつだ。


直したら、使えた。」

「直した?」

「まぁ、学園長に手伝ってもらってな。」

「…ありがたく受けとりますわ。

では、後ほどまた来ますわ。」