「壁!?」

幸大が巨大な壁に囲まれた。

「crash!」

壁が幸大目掛けて倒れてくる。

「オラァッ!」

足に魔力を集めて高く跳躍する。

「マジで危ないっての!」

幸大が走り出す。

「まったく、走るのは嫌いだっつーの!」


「stop!」

半円状の壁に行く手を阻まれた。

「逃げ道がねぇだろ。」

「I am winner」

「甘いな!」

迫ってきたクリスに対し背をむけた幸大は壁を蹴り、バック宙。


「really!?」

ビシッ、ビキッ、ビキキッ、


幸大の蹴った場所からヒビが入る。

「強く蹴り過ぎたか。」

壁が倒れる。

その下には、

「クリス!?」

「すみません、魔力が…」


「間に合え!」

クリスの真上、すでに近くに壁の瓦礫が迫っていた。


「ざっけんなー!

吹っ飛べ!」



ドッ、

小さな魔力の開放音そして、

ザアアッ、

瓦礫が砂になり、風に流された。

「大丈夫か?」


幸大がクリスの方を向く。

「I get you!」

<捕まえた!>

クリスが幸大に抱きつく。


「そこまでね。」

「学園長、今のはなしでしょ!?」

「あら?

男に二言があるの?」


「ない…です。」

「それに、幸大君が捕まらないとこの鬼ごっこは終わらないのよ。」

「…そうですか。」