幸大は職員室まで無言だった。


「学園長!」

怒鳴りながら職員室に入る。

「あら、何かしら?」

にやけてる。

「言いたいことがありますが、取り敢えず、お客様ですよ!」


「あらあら、クリス、久し振り。」


「hi,boss」

<どうも、学園長>

「迷子にならなかった?」

「yes,I am already adult」

<はい、私はもう大人ですよ>




「ねぇ、岡田先生、日本語と英語でやりとりしてません?」

狭山が訊いてくる。

「あの子は日本語が話せないし、理解もできてないと思います。」

「でも、学園長は日本語ですよね。」


「おそらく、学園長は

魔法使いに通訳は要らないのよ

とか言いますよ。」


しばらくしてクリストファーは学園長室に入っていった。


「久々に英語を喋ったら疲れた。」

「大変でしたね。」

「狭山先生、英語は?」

「ダメです。」


「二月姉妹は文系はダメだし、石動は古風な感じだからな。

神宮寺か学園長にしか頼れないか。」


「でも岡田先生、彼女と何か会話したんですよね?」

「まぁ、高校の最初くらいまでの会話なら、なんとか。」

「頭は良かったんですか?」

「テストの平均よりちょっと上の点数ばかりなんで普通、だと思います。」