入学式当日

教師達の自己紹介が終わった。


「では、これから入学式ですから役割を分担します。

各担任は自分のクラスへ。

その他の空いてる先生方は体育館で会場設営をお願いします。」


教師達が動き出した。

「学園長、これは何ですか?」

担任の割り振りが書かれた紙を幸大は学園長に見せる。

「あら?

担任をやりたかったの?

でも、そういうのはまだ早いと思って外したんだけど。」

「そこではなくて、副担の所です。」

「変かしら?」

「変かしら?じゃないですよ。

何で全部俺の名前なんですか?」

「人手が足りなかったのよ。

魔法学園って聞くと生徒は集まるけど教師が集まらなくてね。

まぁ、面接で気に入らない人は全部私が落としちゃったんだけど。」

「今すぐ臨時の…」

「こういうのは納得いくのが重要よ?

私は現状で納得してるの。

時間がないわよ?

さぁ、準備に当たってくれる?」

「解りましたよ。」



体育館にパイプ椅子を並べる。

幕を張り、校門に看板を立てる。


「さて、入学式が始まりますよ。

行きましょう、岡田先生。」

女性が話しかける。

「えっと、狭山先生でしたっけ?」

「そうです。

それにしても、18で教師なんて凄いですね。」

「狭山先生はいくつですか?」

「21です。

何か実習はやらなくて良いから教員試験に受かったら雇ってくれるって。」

「俺も似たようなもんですけどね。」