「幸大、あんた、私を盾にしてよくも、」

「事実だろ?」


「何で私が奈都をお姫様抱っこしないといけないのよ!」

「お姉ちゃんが悪いからです。」


寮に着く。

「お兄さんの部屋に寄っても良いですか?」

亜紀から下ろされた奈都が言う。

「ああ、構わないぞ。」

「ってか、奈都もよく、さっき好きだって言ったのを聞かれたのに平気で話すわね。」

「お兄さんには前から好きだって言ってます。」

「なのに、幸大はハッキリしない態度なわけね?」


「いやいや、ハーレムを作ったらって約束なんだよ。」


「あんた、奈都に何言ってんのよ。」

「…あれ?

鍵が開いてる。

閉め忘れたかな?」


「不用心ね。」


部屋に入ると、

「ヤッホー、幸大君。

お邪魔してるわよ。」

学園長が言う。

「先生、お邪魔してます。」

石動が頭を下げる。


「岡田先生、本当は一応止めたんですけど、」


狭山が言う。

「一応、お菓子と飲み物は持参しましたわ。」

神宮寺が言う。


「学園長、どうやって入ったんですか?」


「猫に小判。

魔法使いとルパンに鍵って言うわよね?」

「言いませんよ。」