「って言うか、あの学園長が持ちかけた勝負に賛同してるあたりから見たら誰でも解るだろ。」

「まぁね。」

「ちなみに、亜紀は?」

「え?

何が?」


「お前も勝負に参加したよな。」

「わ、私は暇潰しに決まってるでしょ。」

「そうか。

少し残念だな。」

「で、あんたはもう誰か決めたの?」

「いや。」

「どうするの?

もたもたしてたら皆、離れてくわよ?」

「アフリカの近くの国の国籍でも取ろうかな。」

「何でそうなるのよ。」

「一夫多妻だからな。」


「あんたってハッキリしないわね。」

「俺の夢はハーレムだからな。

な、奈都?」


幸大が亜紀の後ろにいた奈都に話しかける。


「奈都!?あんたいつから?」

「少し前からだよ?」

「確か、ちなみに、亜紀は?って聞いたあたりだよな?」


「はい。そうです。」


「奈都、居たなら言ってよ。」

「お兄さんもお姉ちゃんも、見てたでしょ。」

奈都が怒る。

「奈都、間違えるな。

亜紀は確信犯。

俺は偶然通りかかったら、告白の場面にでくわしたんだ。」

「そうなんですか?」

「ああ。

ちなみに、亜紀は告白するのが解ってたみたいだった。」


「お姉ちゃん?」

「いや、だって、奈都の下駄箱に何かやってるんだもん、気になるわよね?

イジメだったら困るから奈都よりも先に下駄箱を見たらラブレターが入ってるんだもん。

当然、読むわよね。

そしたら、奈都が心配だから告白シーンを見届けようとして、」

「お姉ちゃん!」