「つまり、私達は無意識にこの魔法陣は花を作る式であるとイメージしてしまったのですわね?」


「そうよ。

認識の魔法自体は魔法陣なしで使ってるのがポイントね。」



「ややこしいですね。」

幸大が本音を漏らす。


「こういうのは感覚よ。

そもそも魔法という非科学的なモノを科学的に説明する方がおかしいでしょ?」

「それは…俺の落ち度です。」

「落ち込まないの。

さぁ、授業を続けて。」


「はい。

じゃあ、取り敢えず、この魔法陣とは違う形で花を作る魔法陣を書いてみてくれ。

取り敢えず、イメージが大事だから、上手い下手はない…と思う。」


生徒達が黙々と魔法陣を書いている。

「幸大君は暇そうね。」

「暇ですよ。」

「幸大君も魔法陣を書いてみたら?」

「花のですか?」

「それじゃつまらないわ。

自分の使いたい魔法の魔法陣、ね。」

「使いたい魔法ですか。

お金を出す、とか?」

「それなら、私と結婚したらかなりのお金持ちよ?」


「今は遠慮します。」

「今は、ね。

他には?」


「…。

ないですね。」


「変わり者ね。」

「いや、お金を出せたら大体は叶うんで。

ってか、ちっぽけな願いしかありませんから。

新しく出るゲームが欲しいとかくらいなんで。」