「身体中から集まるの。

そう、その感じよ。」


ドウッ、

光が噴き出す。

「そうよ。

この感じを忘れないで。」


「はい。」

学園長が離れる。


「力を込めるだけじゃなくて、流れをイメージして。


すー、はー。

すー、はー。」

深呼吸をするとさらに光が強くなる。

そして、

パキンッ、

「ブレスレットが壊れた?」

幸大が手を見ると、ブレスレットは壊れ地面に落ちている。

しかし、右手は薄く光っていた。

「ブレスレットの許容範囲を超えるなんて、初めてだわ。」

学園長が驚く。

「まだ行けそうだ。」


周囲に風が吹く。

「待って!

これ以上は危険よ!」


「…解りました。」

光が消えた。

風も止んだ。


「もしかしたら、貴方は予想外の力を持ってるわ。」

「予想外の?」

「魔力って普通は体内にあるものだけを使うの。

でも、貴方は最後の方は周囲の力を魔力に変換したわ。」

「魔力に?」

「私の力の逆ね。

私は魔力を自然のエネルギーに変換、分解するわ。


でも、幸大君はそこら辺にいくらでも存在するエネルギーを魔力に変換、蓄積したわ。

つまり、無尽蔵のエネルギーを持つのと変わりないわ。」