「無いです。

でも、空手をやってますから。」

「その理由だけで無敗なら皆空手をやるわ。

怪我の治りも早いはずよ。」

「…。

本当に俺が魔法を?」

「貴方は魔法を使う人の中でも稀な能力よ?」


「そんな不思議なんですか?」

「貴方は常に魔法を使い続けるのに魔力が尽きない。

つまり、魔力の量も凄い。

そして、貴方は魔力と同化できるの。

つまり、魔力を魔法に変えずに使えるの。」


「?」

「つまり、普通の人は魔力をそのまま使うと魔力の濃度が高くて使えないの。

だから魔法にして魔力を無駄に使うの。」

「つまり、俺の力は燃費の良い車で、普通の人は燃費の悪い車ってことですか?」

「そうね。

もっと解りやすく言うと、

貴方は水に溶かすタイプのカルピスの原液を飲んで、

普通の人はカルピスの原液を正しく薄めて飲むってところね。」

「それじゃ、ただの馬鹿じゃないですか。」


「貴方の話はおいといて、教師になってくれるかしら?」

「ですけど、」

「無職、フリーター、ニート、プータロー。」

「…解りました、やります。」


「そういってくれると思ってたわ。

じゃあ、貴方の住む場所は用意してあるわ。

入学式までに引っ越してね。

それから、魔法に関する本。

私が解りやすくまとめといたからマスターとまではいかなくても、暗記してね。」

「似たようなもんですけどね。」

「これ、支度金。」

20万円の入った封筒を渡される。

「引っ越しの業者とか、交通費とかその他一人暮らしなら必要なモノもあるでしょう?」

「ありがとうございます!」